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フリーライターの吐きだめ

結末

昨晩はいよいよ我慢ができず煙草に火を点けてしまった。彼の前では吸わないようにしていたのに、ウダウダと話される人間関係の愚痴に私の方まで苛ついてしまってつい。薄っぺらいその愚痴を聞くたびにバカな人だと思った。「煙草くさいよ」と止めたのに「慣れておかないと」と舌を入れてくる彼にわたしは愛される覚悟がない。仕事が立て込んでるから明日は来ないでと伝えた後、彼の目を見る勇気がなくて背を向けて眠りについた。

彼を見送ってひとりになった後、ようやく息をつけたような気がした。愛の終着点なんて考えちゃうほどに窒息寸前だった。

今はただ、自分の好きなままに過ごしていくことが心地良い。寒くてもミニスカートを履いて出掛けたり、朝ごはんみたいな夜ごはんを食べたり、メンズライクでスモーキーな香りを纏ったり、わたしはひとりで過ごす朝が好きだ。

つい先日までは愛おしかった触れるたびに熱かった肌も、優しく撫でるような声色も、冷えた爪先に絡みつく足も、今朝にはもうどうでも良くなってしまっていたから。ひとりよりもふたりのほうがなんて、やっぱり気の迷いだったなと熱いコーヒーを飲みながら思う。雑味ばかりのインスタント、手軽でチープな美味しさがわたしは好きだけど。そういえば、このコーヒーも挽き立てが好きな彼には出さなかった。