規則正しい寝息が右側から聞こえる。時刻は午前三時、夜明けの前のこの時間にまだ日はない。大きな窓から見える空は薄紫の藤の色だ。時折り、寝惚けながらわたしの腰を引き寄せる人は愛が深い人だ。こうして文字を書いてる間にも二度、引き寄せられた。ふら…
気温30度、梅雨の晴れ間。街行く人たちは眩しそうに目を細めて歩いている。日焼け止めとムスクの香り。二の腕には大きな痣が残っているから、私はまだリネンのシャツを手放せずにいる。 6月11日は彼の誕生日で私は会社を3日間休んだ。静岡の高原でシュノーケ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。