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フリーライターの吐きだめ

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

الحب

出版社で働くサワくん(以降、サワ氏)は完全なる同志で、この前の夜に私が予定をすっぽかしたから、水曜日の夜に会うのが今年初になってしまった。水曜日の夜の代案は私から提案したものだけど、時間をつくるのが本当の男とか言って予定を空けてくれたサワ…

ロマンス宣言

嘘になるけど最近は少しばかり旅に出ていた、時間を作らずに書かずにいた自分を窘めている。なかなか書く気が起きなくて、それも悲しかったけど、いざ書き始めると手が止まらなくて、友人との約束に遅れそうになってしまった。駆け足で外に出ると星がいつも…

ざらめ

京都の実家へ帰省してきた。東京駅から京都駅までは新幹線で片道約2時間半、夜行バスだと約6時間くらいかかる。私の実家は山の方にあって、猿や猪や狸なんかが平気で道を歩いてたりする。春先は梅の香りがして、冬の今は朝露に濡れた椿が強く咲いている。 名…

最後の夜

「孤独を感じたことがある?」駅前の信号待ちで尋ねられた。突然どうしたのよとわたしは笑うしかなくて困ってしまった。尋ねてきた友人の顔つきは真剣で、アスファルトはいつの間にか雨で濡れてた。 刺し盛りを頼んでおきながら甘いサワーを頼む友人、正気か…

夢見る大人へ

幼い頃から本が好きで、眠る前にはよく母に絵本の読み聞かせをねだっていた。読むことが好きで、気付けば書くことも好きになって、読書感想文ではいくつも賞を貰って、その度に賞状の裏に絵を描いて叱られたりした。少し暖かみのある黄味がかった厚地の賞状…

怪物

吉祥寺駅の北口駅前広場には象の像が建てられていて去年の11月頃からその象が毛糸のベストを着だした。いつから建ってるのか、だれがそのベスト(明らかに手編み)を編んだのか、不思議なところはたくさんあるけれど調べようとまでは思えない、ちょうどよく…

非対称な目

大晦日の夜も相変わらず残業、待つ人がいる同期と私は慌てて退勤して2人で駅まで走った。今年も終わりだねと話すよりも年明けこわいねと話す私たちは完全にいわゆる社畜で「まじ来年仕事やめようね」と誓いあう。電車には人がほとんどいなくて足元のヒーター…