war

フリーライターの吐きだめ

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の波

蝉の鳴き声を聞いたのはクーラーの効いた部屋で、朝マックをUber Eatsで頼んだ後だった。 台風は消滅して、いよいよ夏が始まったというのに、私は私のしたいことを何ひとつ出来ていない。 フジロックにも花火大会にも行けてないし、浴衣だって着れてない。缶…

宣伝みたいな宣伝

夜中の着信は躊躇ってる間に鳴り止んでしまう。手の中で震えてた感覚がしばらくあって、あの人は今どんな顔をしてるだろうと思う。 色々なことが一気に降りかかって、時間を後悔に支配されると自分の今までの選択が間違っている気がして、遣る瀬無くなった日…

summer ghost

宝物みたいに繰り返し何度も聴いたあのデモテープは壊れたiPodの中に入っていて、今はもう聴けなくなった。明け方みた夢は、ひとりで座り込んで大泣きした夜の決意を簡単に打ち砕くようなもので、記憶と生きていくと歩いていたのに。大切にしていたあのデモ…

ばらの花

音楽がすきなふたり、はじまりはSHIBUYA-AXでのベースボールベアーのライブだった。すきな音楽は大体同じだったから、夏には音楽フェスに出かけてふたりでタイムテーブルを組んで回った。彼はバンドをしていて、彼女は彼のつくる曲がすきだった。でもお金が…

通り雨

豆乳バナナ味は早番の通勤電車のお供になっている。最近わたしがハマっているのは野菜生活のスムージーシリーズで、仕事の休憩時間にはビタミン豊富そうな甘夏ミックスをよく飲んでいる。さっぱりしていて美味しいから会う人みんなにおすすめしていたら「回…

忘れられないの

生肉に刃を突き立てたときの柔らかく不快な感覚だった。生温い風が吹いた気がして、私はまだまだ子供だと思った。 人の優しさや温度が煩わしい時間があって、それは所謂ひとりになりたい時間に匹敵するものかもしれない。ひとりを大切にできる人は魅力的だけ…