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フリーライターの吐きだめ

アイスティー

13日の金曜日、以前から観たいと話していた映画へ行くことに。前日まで沖縄に滞在していたからかベッドから起きて直ぐ身体が怠かった。詰め込んだ3日間だったから疲れが溜まってたんだろう。映画を観に行こうと決めたのは福岡に帰ってきた12日の木曜、23時くらいだったかわりとしっかり深夜帯に私から誘った。純粋に会いたいからというよりも何故か不機嫌な彼のご機嫌を取るための連絡だったと思う。いつ行こうかと話す彼とは中々タイミングが合わず、彼はその日が初めてだったけれど、正直なところ私はそれより前に一度、違う彼とその映画を観に行った。映画自体かなり好きだったしもう一度観たいと思ったのは嘘じゃなかったから、13日の彼がレイトショーなら行けると言ったときも返信するより前にレイトショーの上映時間を調べた。日中お墓参りに行くからと話す彼にこんなに大雨なのに?と聞くのをやめて一旦ロック画面に戻す。彼に合わせた時間、彼に合わせた場所を聞きながら一向に受け身な姿勢から変わらない彼の態度。座席とか時間とか全部わたし任せなんだけど、なんなんだこいつ。話始めの「いや」と語尾の「だけど」の使い方が完全に人に嫌われるやつだよと思いながらも、もっと嫌われればいいと思ったから教えてあげない。急に腹立たしくなってきて席は取ってもらうことに。長々と続くやり取りが煩わしくて返信をしながら溜息が出る。疲れていたし早く眠りたかった。当日、ポップコーンの一番大きなサイズを頼んだ彼は物語の中盤から号泣していた。案の定、わたしは中盤から隣の彼の鼻水をすする不快な音しか耳に入って来ず。一度目じゃなくて良かった。エンドロールが終わって出口へ向かいながら鼻水の音がすごかったよと冗談めかしで笑うと、そんなに?大袈裟だよと至って真面目に話す彼のことを気持ち悪い考えだなと思った。加害者と被害者の認識の違いってこれなんだろうな。エレベーターに乗って地下で降りて映画よかったねと話すと鼻先で笑われた。意外と気にしてたんだろうか、高いプライドがダサすぎる。鼻水すするぐらいに泣いたなら、私だったら、うるさくてしちゃってごめんね。めちゃくちゃ良くてさ、特にこんなところがさ!ってその熱のままを話すし、そのテンションで話されるならまあいっかで済むのに。とことんバイブスが合わないのがつらい。帰宅前にコンビニで夜ご飯を調達、いつもだったらいっしょにお会計するのに今日に限って先にお会計してさらに外で待ってる姿が見える。ええ、何それ?どうなってんの?めちゃくちゃめんどくさいじゃん。ご飯を食べてお風呂に入るまで、旅行のことも頑なに聞いてこないし、旅行先から連絡した時の態度を考えると不機嫌になられる未来も見えるし、人のご飯を物欲しそうな目でじっと見てくるのも嫌だ。食べ終わるとすぐに彼はクッションで居眠りをしていて、本日の私は終了。お風呂入りなと急かしながら心身共に自立していない彼のことを哀れだと思った。そんな13日の金曜は彼に背を向けて眠った。何か言いたそうに寝返りを打つ彼の気配を感じながら「言えたことだけが気持ちなんですよ」という台詞を反芻する。