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フリーライターの吐きだめ

海老天

来週一杯で職場から戦友がいなくなる。戦友とは2人いる店長のうちの1人で、職場の共通認識で無愛想な方だとされてる。
夏のセール前に吉祥寺店に突然異動になり、セール準備で店が荒れてる中、何も分からないまま何も教われないまま本セールに突入した私のメンタルは瀕死状態だった。(先輩方も必死で私に構う余裕なんて当然なかったし、その前の銀座店で既に心身ともに滅茶苦茶になってしまっていたのもある……)
なぜか昔から「あなたなら任せても大丈夫そう」と勝手に信頼されることがあって、小学生の頃はピアノを弾いたこともないのになんとなく弾けそう!という強引な理由でピアノ伴奏を担当させられた。全然大丈夫じゃないのに、全然不安なのに、それも上手く伝えられなくて自己嫌悪になることが多かった。
異動して2日目からセールが始まって、熱中症でぶっ倒れて、それでも終電に間に合うかも分からなくて、そんな時に無愛想な顔で「俺たち帰ります」と宣言したのが戦友だ。
走らんと間に合わねえなと鞄をひったくられて吉祥寺の街を全力で走ったのは今でも覚えてるし、意外と足速いじゃんと笑われて、この人笑うと可愛いなと思った。
それからはよく仕事帰りに飲みに行くようになって、牧場でソフトクリームとハンバーグどっちを食べるかとか、ふるさと納税のこととか、訳のわからんくだらない話をたくさんした。
一昨日の夜、飲みの席で滅多に仕事の話はしないのに戦友の今までの色々なことを聞かせてもらってめちゃくちゃ寂しくなった。なんで辞めちゃうんですかと泣いたら、お前がもう大丈夫だからだよと豪快に笑われた。それもう絶対に嘘じゃん。
戦友は勝手に辞めるくせに次の仕事すら決めていない。俺次は何したらいいと思う?と聞かれたから、定食屋さんでもしたらどうですか、食べに行きますよと答えたらそれいいなと本当に感心するから泣いてしまったのがバカらしくなってしまった。
異動してきたばかりの頃と比べて、私は周りに不安を伝えられるようになったし、上手く頼れるようになったと思う。それでもすぐにいっぱいいっぱいになってしまうけど、いつも無愛想な戦友の存在は常にフラットで、だからこそのびのびと仕事が出来た。感謝。謝謝。
春になったら、やっと本当にしたかったことが出来る。(そしたらきっと新たに悩むことも当然増えるだろうけど…)厳しい日々が続いても、すきな人の前では笑顔でいたいな。
 

 

Sonosen wa Suiheisen

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