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フリーライターの吐きだめ

夜の波

 

蝉の鳴き声を聞いたのはクーラーの効いた部屋で、朝マックをUber Eatsで頼んだ後だった。

台風は消滅して、いよいよ夏が始まったというのに、私は私のしたいことを何ひとつ出来ていない。

フジロックにも花火大会にも行けてないし、浴衣だって着れてない。缶ビールを片手に夜中の公園でくだらないことを話すのもまだ出来ていない。

ひとつ、マスを進められたと思うのは仕事のことで、ついに自分のやりたいことを仕事に出来るようになった。

代表に圧を掛けられまくった面談と言う名の面接は正直かなりパワハラに近くて、スタートする前にグレーな感じがひしひしと伝わるものだった。だから、今だってもちろん不安だし、でも「出来んの?」って馬鹿にされた時に「ずっとやりたかったので、やります」と目を見て即答した私は、私のことを誇っていたい。

もし、上手くいかなかったらそん時はそん時だ。

芝居掛かったハイテンションで梅雨明けを伝える色白のキャスターは、本当に雨が嫌いなんだろうか。

ショーシャンクの空だとか言って、スーパーの袋を片手にずぶ濡れになりながら帰った日が懐かしい。

そうか、まだ夏は始まったばっかなんだよな。