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フリーライターの吐きだめ

年の瀬

殺伐とした満員電車の空気を忘れるような年の瀬の車内は、キャリーケースを抱えた大人たちばかりだ。心なしか彼らはいつもより随分と穏やかなように見える。

煌びやかな街のイルミネーションが消えれば、街はあっという間に正月ムード一色になる。この国の切り替えの早さには、おそらく海外観光客もびっくりだろう。

さて、この時期になるとみんな今年一年を振り返って何かとセンチメンタルになりがちだ。例外なく私もそうで、だからこうしてブログを更新しているわけだ。

今年はひたすらに変わり続けた年だった。

職場はもちろん、人間関係や住まい、私の周りのすべてが私に気付かれないスピードで変わり続けた。(それが良いか悪いかは別として)

それから、そんな変動の中で、私を私たらしめているものに気付くことが多い年でもあった。

何年振りだろう。偶然に再会した高校の頃の親友は、これまた偶然に私の住む街の隣の隣に越してきた。

見た目はお互いに随分と大人になっていたけど、なにも変わってないねと笑い合った夜のことを私はきっと忘れない。

変わったよねと私から離れた人を追いかけることなく突き放した日から、なんとなくしんでしまったと感じていたあれは、きっと寂しさと虚しさ。

変わらない何かを抱きしめながら、変わり続ける私のことを見守っていてほしかったんだ。きっと。

あっという間だったけれど、流れるようには過ぎなかった今年は、思い返せば苦い思いが多い。みんなこうして大人になっていくんだろうか。

街が眠ってしまった、この時間。明日までの狭間の静かな時間。

いつも起きていたあの人の存在をふと思い出して、ひとりじゃないことを考える。眠れないなら、無理して眠る必要はなくて、すきな音楽をかけてぼんやりしたり、ヨーグルトにフルーツを入れて食べたりしてもいい。

大晦日は江ノ島で初めてゲストハウスに宿泊する予定だ。初日の出をみるつもりだから、晴れればいいなと今から思っている。元旦の江ノ島は海風が冷たくて、橋を渡った先にある熱々のあら汁が本当に美味しくて、毎年の楽しみだったりする。

それから、そのまま京都に帰省するつもりだったけど、2日までは東京でゆっくりすることにした。揚げ餅でも食べながら家でごろごろしよう。

とにかく、今年もなんとか年を越せそうでよかった。来年はどんな年になるんだろか。

楽しい年に出来たらいいな。

では、みなさま良いお年を。