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フリーライターの吐きだめ

大人

昨夜のわたしは少しおかしかった。

泣き腫らした目は案の定開けづらくて、窓から差し込む陽の光が刺さるように痛い。

身体は鉛のように重くて、少し身体を動かすと骨が軋むような音がして、まるで風邪をひいたみたいだと思った。

あっという間にやってくる新生活、今年の春は知り合いも友達も居なければ、故郷でもない、本当にまっさらな場所で始まる。

やっと決まった新居はかなりのお気に入りの場所で、審査に時間が掛かった分、通ったと連絡を受けた日はとても嬉しかったし、何よりホッとした。

そして、新居が決まれば、取り掛かることは山のようにあって、その殆どを私ひとりでこなさなければいけない事も分かった。

引越しは今までに2度、経験している。

上京した18の春と就職に進んだ22の春だ。

そのどちらも母や恋人、友人という助っ人がいてくれたから、今回の引越しはかなり心細い。

確定事項よりも、不確定事項の方が圧倒的に多いから、頭の中でしかスケジュールを組み立てることが出来ないし、何より山のように積み上がっていくタスクは泥のように重い不安になって私にのしかかる。

大人の言う「生活」は、残酷なくらいに現実的で、AV女優にモザイクを掛けて仕事をしてた種田を思い出した。

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努力は実らない。結果の出ない努力なんて、努力じゃない。夢は夢。子供みたいなこと言って。しっかりしなよ、あなたはもう大人なんだから。

って、これは全部事実で、世の中の大半の大人はそんなこと分かり切って今日も生きてる。

私も大人だ。

昨夜のわたしは少しおかしかっただけ。

やっぱり死んだらおわりだよ、種田。