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フリーライターの吐きだめ

ホリデー

19日、以前から計画してた鬼怒川温泉へ。鬼怒川温泉までは新宿駅からJR特急きぬがわで約2時間ほど、車だと3時間ほどで着くらしい。ちなみに、はじめまして栃木。楽しみにしていた2日間を繁忙期のしわ寄せに邪魔させるものかと当日の朝4時までプレゼンの資料作成、これで本当に評価されんのか?いやもう絶対に評価しろよという気持ちで仕事を終わらす。禿げたネイルを塗り直さなきゃと思いながらも少しだけ眠ろうと目を閉じたらすごく痛くて涙がでた。疲れてるはずなのに神経が昂ぶったままで浅い眠りから離れられない。諦めて8時半頃に起床、部屋の掃除をして洗濯機を回して久しぶりにチャイを煮出す。部屋中がすきな香りに包まれて神経が緩んでいくのを感じる。眠り直そうかと思ったけれど、鏡に映ったひどい顔をみて取り急ぎパックをしてみたりした。(時はすでに遅いのに…)

頭がぼうっとしたまま駅まで歩いてると駅の近くになってiPhoneを家に忘れたままなことに気付いた。家まで走るも心的ダメージがでか過ぎる、何をしてるんだわたしは…。やらかしてしまったことを伝えると焦らずおいでと返ってきて普通に泣きそうになる。(今思えばただただ疲れすぎてる)

ようやく新宿駅に到着、出会ってすぐに謝罪する情けなさ…、もう23歳にもなるというのに…。駅構内のお弁当屋さんにて秒でお弁当を選び特急電車に乗り込む。(こういうとき優柔不断じゃなくてよかったと心から思う…)金目鯛のお弁当と柿の葉寿司、渋めなチョイス。

2時間は意外とあっという間に経つ。1時間ほど経ったところで、車内では思いがけない修羅場(自分の蒔いた種ですが、また別の記事でこのことは話そう)に遭遇。金目鯛のお弁当はおいしかった。

15時すぎ、鬼怒川に到着。空気が違う、深呼吸が気持ちいい。澄んでて冷たい、ここには東京とは違う冬がある。宿に着くまでに何かあるかなと探したけど本当に何もなくて本当に何もないなと思った、なにも。予約していた宿は想像していたよりもずっと素敵なところでテンションが上がった。窓からは鬼怒川が見える、ミルクを垂らしたような青緑色。遠くても見惚れてしまう。

夕食までの時間、大きな吊り橋へ行ってみるつもりが道を間違えるポンコツ具合(またしても)。夕食に備えてお腹を空かすためのお散歩に変更、駅前まで戻ってみるものの本当に何もなくてセブンでレモン牛乳を買って飲みながら歩いた。チープな甘さとベストなサイズが良いよね。

18時半、お食事処に案内してもらう。まず地ビールの美味しさに衝撃がはしる、ずっと飲めるやつ。ボリュームのある料理は全部美味しくて、さらに美味しい日本酒と相性が抜群にいい。ただデザートが近くなるにつれ、あの修羅場が戻ってきてしまい、当たりが完全に強め。押忍!自分飲みます状態が続く。(これを自業自得っていうんですよね、分かります)

お部屋に帰っていざ温泉へ、熱めの露天風呂が身体に染み渡る。外は真っ暗でかすかに川のせせらぎが聞こえる。湯冷めもしにくくて最高の温泉だった。

隣りから規則的な寝息がくっきり聞こえ始め、人を傷つけてしまった感覚が鋭く濃くなっていく。ひとりになった、すごい速さで身体が冷えていく。眠れない日は無理して眠る必要はないと誰かが教えてくれたからただ目を閉じてみる。健やかな寝息だけが耳に残って、余計につらくなった。寝たり起きたりを繰り返しながらようやくきた朝、ここは日が昇るのが遅い。午前5時の空は真っ暗なままだった。そっと部屋を出て1階の大浴場に向かう、自分勝手に心が折れそうになる。大浴場はまだ誰もいない、備え付けのシャンプーはとちおとめエキスが入っているらしく使うと甘い香りがした。肩まで浸かりながら独り占めを堪能。わたしはずっとやさしい人になりたい。なのに、いつまで間違うつもりなんだろう。

お食事処での朝ご飯は夜に引き続きボリュームがすごい。先に来ていた2組のお膳を盗み見ると結構完食されているから、おいおい本気かと思わず顔を見合わせる。美味しいのに食べきれず悔しかった…。

部屋で休んでからチェックアウト、本当に素敵なところだった。また来れたらいいな。

それから吊り橋リベンジは無事に成功、揺れる橋から見下ろす鬼怒川は宿の部屋から見るよりもずっと迫力がある。吸い込まれそうになって、こうやってみんな飛び降りちゃうのかなと思った。私は生きたい、へなちょこなりに生きていたい。

平均評価2.5くらいの展望台は登ると確かにと思う、コスパの悪い展望台。嫌いではないけど好きでもない、そしてわりと疲れる。ただ、落ち葉が鳴る音をひさしぶりにきけたのが嬉しかった。

「いきはよいよい、かえりはこわい」

これ言うのって関西だけ?山を登るときにみんなが言ってたのを思い出して前を歩くその人に聞いてみたら、こっちでは聞かないねと言っていたからきっとそうなんだろうな。

喉が渇いていたから近くのコンビニ(デイリーヤマザキみたいな、ホリデーというローカルコンビニ)で地ビールを3種類買って近くのベンチで飲み比べてみた。どうやら私はIPAがすきみたい。少し癖があるのが美味しい。昨日の話と今日の話と、いままでの話とこれからの話と、なんてことない話をした。夜明けを待っていたあの寒さは身体からなくなっていて、瓶ビールで音を鳴らす方法を教えてもらった。

帰りの電車は行きの電車よりも混んでいて賑やかな声がしていた。私はすぐに眠ってしまったけど、途中ふと目を覚ますと隣からまた規則的な寝息が聞こえてきて、今度はそれに安心した。